一匹狼と狼少女
「龍也。」
壁に寄りかかって、裏庭にいたら隣に蒼が来た。
「また生徒会サボリか?」
「まぁね、じゃなくて。今日の夜、暇?」
上目遣いに俺を見る。
「多分。」
「じゃあ、8時に校門に集合ね。」
「は?」
話が唐突すぎて何がなんだか。
「人魚の話。確かめてみようよ。」
自信満々の笑みだった。
何か掴んだのだろうか。
このナルシスト蒼が何もなしに人魚にあうなんて事はない。
「じゃあ集合ね。」
笑顔を見せて、蒼は立ち上がって行った。