一匹狼と狼少女
暑いー…
出なきゃよかったな。
あ、いた。
龍也が木陰に座っている。
「あ。」
龍也は言った。
「生徒会、またサボってんのか?」
「うーん…。そうともいうかな。」
「何だそれ。」
暑そうに首筋を掻く。
「アイス、わけて上げようかなって。」
「間接キス?」
「馬鹿。」
ふざけて言う龍也にアイスを渡す。
蝉が鳴いている。
もうすぐで夏休み。
海…なんて行きたくないな。
アタシは持っていた本を開いた。
「暑いのによく本なんて読めるよな。」