一匹狼と狼少女
旅館について、荷物を降ろした。
「海行こーぜ。」
楓は言うと、みんなは一斉に賛成した。
「暑いー…。」
俺は海ではしゃぎ回ってるみんなを見て、ぼーっとしていた。
「泳がないの?」
後ろから声をかけられる。
「尾崎は行って来ていいぞ、俺は荷物管理係りだから。」
俺はテキトーな事を言って、払おうと思った。
「佐伯がいないとつまんないもん。」
あの優等生の原島までもがハシャぐあの場所でもか?
「佐伯ってもっとチャラけてると思ってた。結構固いんだね。」
嬉しそうに笑う尾崎。
「チャラけてるよ。」
俺は言った。
平気で女遊びはヒドいし、喧嘩だってする。
「じゃあ私と付き合ってよ。」
パッと輝く顔に罪悪感が出た。