一匹狼と狼少女
「チャラけてっから、それは無理。」
俺は言う。
「じゃあ抱いて?」
「お前なぁ。」
尾崎を見る。
真剣な顔をしていた。
「私、佐伯がどんなでも好きだよ?」
その顔は苦手だ。
「悪いけど、違う…。」
「そんなに雪村蒼が良い?」
俺は目を見開く。
「尾崎ー、佐伯ー。ビーチボールやるから来い!」
楓は言う。
「行く!」
尾崎は答えた後、俺の方を見た。
「佐伯がどんなに雪村を想ってても、私は佐伯を好きだから。」
置き去りにされた俺は、どうすればいいのだろうか?