一匹狼と狼少女
俺は休憩室で椅子に座った。
つか、ここに自販機あんじゃん。
原島を呼び戻そうと、休憩室を出た。
辺りを見回した。
「龍也。」
後ろから呼ばれる。
振り返ると、見慣れた姿があった。
「…お前、なんでここに。」
「前向いてて。」
ぐるりと反対方向を向かされた。
この前会ったうちの制服を着ている下級生が、何かを探しているようだった。
大体、探し物の見当はつくけど。
「なんで蒼がここにいんの?」
休憩室にまた入りながら聞く。
「生徒会のやつ。めんどいからまた逃げてきちゃった。」
肩を竦める蒼。
毎度やってて飽きないのだろうか?