一匹狼と狼少女

「なんで君はいるの?」

「友達と来た。」

ふぅん、と蒼は俺の背中に体重を預ける。

「あ、海行くっていうのか。」

ポンと手を叩いて、思い出している。

返事をしようと思った。

「会長さん、みんなアイツ等探してたけど。」

俺の前に立つ、同学年くらいの男子。

すぐに生徒会の奴か、と察しがついた。

「なんでわかっちゃうかな。」

寄りかかっていた体重がなくなった。

蒼が離れていく感じがした。






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