一匹狼と狼少女
先生からも生徒からも、冷たい目で見られてきていた。
女子は別だけど。
でも、アイツはなんなんだ?
廊下を歩いていた。
「おい、佐伯。職員室まで来い。」
生徒指導の先生からの呼び出し。
俺、なんかしたか?
喧嘩することもしばしばあったけど、校内でやったことはないし。
「お前、これ吸ってたろ。」
強面の顔と透明のビニール袋にはいっている物。
「は?」
吸いかけの煙草。
「は、じゃない。聞いてんだよ。」
声を荒げる。
職員の視線がこっちに向くのがわかる。
「吸ってない。」
俺は言う。
正直に言う。