一匹狼と狼少女
河原撫子
起きると、松本がアタシの横にいた。
時刻は五時。
微妙な時間に起きてしまったなぁ…。
お風呂に行くのは止めて制服に着替えて、旅館の中を歩き回ることにした。
庭園とかあったし。
ロビーに行く。
やっぱり。
ガラスの扉をぬけたら、小さい庭園があった。
池がある…。
「あ。」
砂利のこすれる音と、人の声がした。
「わ。」
アタシも返す。
そこには龍也がいた。
「生徒会の見回り?」
ベンチに座る龍也は私服だった。
「んな訳ないじゃん。」
肩をすくめてみせた。
そして隣に座る。
「ねぇ。」
アタシは聞きたい事を直球に聞く事にした。