一匹狼と狼少女
多分、壺の底が二十になっててその間に入ってるんだろう。
「この壺を争って、色々あったって聞きましたよ。」
女将さんは「噂ですけどね。」と付けて、向こうに行ってしまった。
あんまり真実味がないらしい。
そりゃ、見知らぬ高校生に話しちゃうくらいだもんね。
「会長、どこにいたんですかっ。」
ドタバタと走ってきたに違いない松本。
「おはよう、松本。」
「おはようございます…じゃないです。なくもないですけど…朝食ですよ。もう皆さん集まっちゃいますよ??」
「わかったわかった。」
アタシは龍也の方を見て微笑んだ。