一匹狼と狼少女
朝食を取って、荷物をまとめた。
そういえば、龍也はいつ帰るのかな。
ロビーに行くと広と冬軒がいる。
「あ、携帯忘れた。」
「はぁ?」
広が眉を寄せる。
「ごめん。待ってて。」
と冬軒に荷物を無理矢理押し付けて、部屋に戻った。
空になった部屋のテーブルの上に携帯が見えた。
携帯をポケットに入れて部屋を出た。
角から来る人に目を見開いた。
この女、なんでー…。
冷たい目でこっちを見ている。
アタシは嘲笑うように睨みつけてやった。
「ねぇ、次は何を狙うの?泥棒猫さん?」
そう冷たく囁きながら。