一匹狼と狼少女
当然、俺ら全員がその野次馬に参加する事になり…。
「壺が割れたらしい。」
すぐに情報収集をしてきた楓が伝える。
「1000万だかする壺のことか?」
俺が聞くと、
「そうだ、でも。何もなかったらしい。」
田沢…先生が来て、そう言った。
「え?でも、女将さんがその壺を揺らすと中から音が…。」
「すり替えられたっていう可能性は?」
いつからいたのか、隣から声がする。
蒼…いつからそこに。
「それはないと思う。」
田沢もいきなり会話に入ってきた蒼に驚いたけれど、答えた。
「生徒会長じゃね?」
楓の言葉に、にっこりと笑顔で返すと蒼はさっさとこの場を離れた。