一匹狼と狼少女
蒼は嬉しそうに俺らを見ていた。
いや、少し自惚れかもしれないけど。
俺を見て得意そうな顔をしていた。
「何がですか?」
今朝の生徒会の女子が言った。
「一千万の宝石。」
そう言って、蒼が持っていたものは…。
壺の破片としか言いようのない物。
「会長、危ないですよ。」
確か、冬軒という名前の奴が言った。
呆れたように溜め息をついて、蒼は冬軒の手にそれを乗せた。
そして、冬軒は少し驚いた顔をする。
「…これ、紙粘土かなんかですか?」
「当たり。」