一匹狼と狼少女
銀杏.October
ホームルームの時間、珍しく龍也は起きていた。
蒼は珍しく爆睡をしていて、龍也が静かに「蒼。」と呼んでも起きない。
ホームルームでは、文化祭の出し物を決めていた。
蒼は生徒会長だから、最近忙しくしていた。
蒼は夢の中でも忙しくしているのか、溜め息を吐く。
それを見た龍也は少し笑って、蒼の前髪を梳いた。
「今回の出し物は、喫茶店に決定しました!!」
はりきった声の実行委員。
その声に反応してか、蒼はピクリと肩を動かして起きる。
「…あ、龍也。」
目の前で蒼を凝視している人物を名乗る。