一匹狼と狼少女
尾崎美沙。
アタシを憎む人間の一人だと思う。
悲しいのなら、聞かなければ良いのに。
「ナルシストなところ。」
な…!!
ナルシストだと!?
龍也の言葉にカチンときながらも、アタシはそこを動かないでいた。
確かにナルシストだけどこれでもAB型。
「あー、世界が自分中心に回ってると思ってるよね。」
「誰が世界が自分中心にですって?」
その女は、びくりとしてこっちを見たけど揺るがなかった。
「…生徒会長には、関係ないと思います。個人の恋愛感情だし?」
「色んなものに手を出すようになったのね、泥棒鼠。」
「猫が鼠になったんですね?」
「格下げよ。」
おふざけをバッサリ切って、アタシは言った。