一匹狼と狼少女
板挟み状態の龍也は、こっちを見ていた。
「お前ら、そんなに仲良かったっけ?」
どこをどう見たら、仲良く見えんのよ!!
泥棒鼠は、向こうを向いて歩いていった。
それを見たアタシは、龍也に近づく。
「…文化祭、忙しくなりそう。」
まったく違う話題を出してみた。
「大変だな。」
「喫茶店にも出ないといけないから、疲れる。」
まだ、文化祭が始まっていないのに言う。
龍也はそれに苦笑し、急に抱きしめてくれた。
「…何?」
「充電?」
自分でやりながら、疑問符をつける龍也の首にアタシも手を回した。