空の果て星の息吹

思い出ドロップ

もうすぐ後期試験が始まる涼子は、学年トップの成績を保っていた。


いつも、この時期になると英語の試験の先生を頼んでいる。


学園のカフェテラスで、ケーキセットを用意して涼子を待っている。


涼子は、情報処理学部のマドンナと呼ばれている。


本人は、あまり気にしてない用だけど。


容姿端麗、成績優秀、性格も良い・・・
そんな涼子でも、彼氏は居ないみたいだった。


涼子は、きちんとしないとダメな性格だから、恋愛と学業の両立は難しいとの事で、今は学業優先らしい。

涼子と偶然に出会えて、こんなに近くで話ができるのは、ある意味、非常に幸運なんだろう―――


もちろん、シンや、戒音もそうだけど。


『遠野くん――ごめん、遅れちゃつた』


白いコートを着こんで、黒い細目のパンツを履いていて、すらりと長い足を強調していた。


涼子は舌をだして、可愛らしく謝った。 


『今回は、チョコケーキだね・・大好きなんだ』 


涼子は、嬉しそうに微笑みながら、参考書を開いて教えてくれた。


講義で大まかなテスト範囲を聞いていたので、細かく注意点を聞いた。


涼子は、優しく、解りやすく教えてくれる。


涼子は先生も向いているよな・・ってよく思う。


テスト対策も無事に終わり、涼子と世間話をしながらどこか遠い目をしながら話した。


『遠野くんは、私をどう思う??』


『どう?綺麗で、頭も良くて・・・性格も良いし・・・・・』


『ありがと、でもある人から、テキスト的で詰まらないって言われたの・・・』

『テキスト的?つまり、真面目な子ってイメージかな?』


『そう・・私はつまらない?真面目過ぎて息詰まる?かな?』


真剣な顔の涼子を見ると、学部試験の前に、一緒に話した時以来な気がした。


涼子は人に話す前に自分で大体片付けるから、悲しい気持ちも、辛い気持ちも。

本当に辛いときしか、話さないから。

< 101 / 216 >

この作品をシェア

pagetop