空の果て星の息吹

笑顔の行方

ユイは試験に終われていた疲れている姿を見るのは辛かった。


ようやく今日で試験が終わる、ようだった。


毎日徹夜続きで流石に辛そうだった。


最後に、装機の実技試験が残っていた。


訓練用のプールの外れに立って試験内容を見学していた。


4ヶ月前に、ここから二人でシャトルを護る為に向かった場所であった。


ユイは黒いウェットスーツに似た姿で、神妙な顔で練習用装機(セイレーン)を眺めていた。


ユイの乗った機体はテロリストに破壊されたが、今は改修されて使われている。

ユイは同じ機体に乗り込む

『オートバランサーチェツク・・・水圧計、起動問題無し・・』


教官がモニタールームから指示を出す。


『では、月夜野くん、入水始めなさい』


ユイの機体は、ゆっくりとプールの淵まで行き、ジャンプをして水の中に入る。

水飛沫があがり、機体はやがて見えなくなる。


こちらからは、モニターでは確認出来ないが、教官の指示は、室内に聞こえる。

プールの底に、教官の遠隔操作の機体があり、機体と同じ行動をしなければならない、跳ねたり、飛んだり物をあげたり。


僕達は、選抜トーナメントを優勝するくらいの腕はあるし、それはそんなに難しくは無いが・・・


底には沢山の障害物がありそれが視界を邪魔したりするし、途中でバランサーを切られてしまうのだ。

バランサーが切れると、水圧の重みがもろにかかり、動きが不安定になるのだ。

それは、緊急措置技術講習で習っており、手強い。


水中の圧迫感は増すのだ。

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