空の果て星の息吹

フューチャーズメモリー

梅雨の時期――


長く雨が続き、明けた空


この時期特有の滲んだインク色の雲が早いスピードで流れていく。


久しぶりにスクーターに乗り空を眺めながら走った。

空気が気持ち良く、草原の風が揺れる。


梅雨の時期があけ、久しぶりに気持ちが良い風を感じる。


高台のシャトル格納庫と発射台が見える場所に行き、缶コーヒーを飲みながらベンチに座り、ゆっくり空を眺めた。


久しぶりに、ゆっくりした時間、エデン研修の候補生になり勉強に忙しかったから。


自然には音が溢れている。風の音、波の音、雨の降る音――


地球にいると、沢山の音が聞こえる。


無重力を感じると、急に重力を恋しくなる。


重力は地球に抱かれているイメージがあるから。


何気なく聞く、風の音や海の音も、音の無い世界を体験すると、非常に愛をしい

まるで、地球という母が語る子守唄の様に聞こえた。

空の音――


ゆっくりと聞きながら、目を閉じる。


視界を遮ると、純粋に音だけが届く 






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