空の果て星の息吹
第十四章

重力の足枷と思い

幸福1号関連のシャトル再点検は終了し、朱鷺では問題が無いのを確認した。


候補生から選抜された5人は理事長室に呼ばれた。


理事長から、励ましの言葉を言われた。
科学未来の発展に寄与してほしい・・・との訓辞であった。


宇宙装機学部からは僕と北見が行くことになった。
北見自身も、あんまり信じられなかった様だった。


普段表情が見えない、北見が凄く解りやすく、喜んでいたのが不思議であった。

北見とは日常会話はするがあまり、親しくは慣れていない、それは互いに妙な壁を作っている感じなのだが

俊英や涼子は学部は違うが馴染みの顔なので、まるで高等部の同窓会の様に感じる。


宇宙環境学部の佐藤景(さとうけい)は、知的なルックスで、だれもが描く、純日本人女性像を彷彿させる美人で、長い流れるような黒髪が綺麗な女性で、涼子と違ってどことなく、近寄りがたい凛とした雰囲気を持っている。


彼女の在席する、宇宙環境学部とは、火星再開発計画の要である、光合成をさせる、火星環境で適する藻類の育成研究を主軸とし、宇宙環境での効率的な環境研究をしている。


この学園でも、閉鎖空間といい、外界との接点を持たずに、植物や動物、または生活を育成、研究する施設があるのだ。


彼女の学部の出身者で、第一次の火星再開発本部勤務者もいるくらい、有望な学部である。


佐藤景は、あまり話したがらない雰囲気がある。


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