空の果て星の息吹
一通り質問が終わると、今回の研修の話を理事長が話し、僕らは挨拶をした。


名前と研修の抱負を話すのだが、あの冷静な北見ですら緊張で上手く話せていなかった。


僕も名前を言うのがやっとで、抱負はただ一行たらずの言葉しか出てこなかった

『今回の研修が自分のプラスになるよう頑張ります』

詩的な引用をしたかったが頭が真っ白になり忘れてしまう。


僕の次には涼子が話した。
涼子は控え室ではあれ程緊張していたのに、会場に立つとそれがまるで幻だった様に、冷静に落着いて話した。


『まずは、宇宙に行ける貴重なチャンスを与えて頂けた事に感謝致します。
ぞして私達は学園代表者として宇宙に向います、未来へ進むために、色んな知識を吸収して、また学園にプラスになる様に。』


涼子が話し終えると記者団から拍手があがった。


記者会見が終わり、僕らは最終打ち合せを機長達クルーとした。


安全装置の事や、万が一のトラブル時の対象を説明された。


シャトルに乗り込む前に遺書を書くのが決まりらしく僕らはコンピュータで文章を入力した。


宇宙服に着替える、予め持ち込める荷物は決められておりコンテナには、もう入っているが、ユイから託された手紙と携帯電話に携帯パソコンとブックプレイヤーを入れていた、それとユイと出会いのきっかけの紙性の本、ジェニーの肖像も入っていた。


だから、もう外部に連絡する手段は無いのだが、伯母には前日電話で話していたから、今日はテレビで見ているはずだった。


シャトルのコックピットはブロック式になっていて、操縦系統は一番最後にクレーンで上げられて、ディスクを端末に挿入するみたいにして、接続する方式であり、今後のシャトルは、コスト面の関係から、汎用性のある、この方式を採用していくらしい。


灰色の大きなコックピット部に乗り込む為のタラップを歩く。
僕らが歩く眼下には多数の見物客が声援を送っている

緊張しすぎで、鳥肌が全身に立つ感覚になる。


コックピットに乗る前の扉に、今回の候補生が立っていて見送ってくれた。

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