空の果て星の息吹

疑惑

マクガイア施設長の特命で幹也と情報統合局メンバーを中心とした、特別調査隊が作られ。


中央コンピューターであるミレニアムへのハッキングの足跡を探していたが、足跡は消されていた、各部屋の端末からのハッキングの痕跡は見つからなかった。

また各クルーに対しての聞き込みも行われたが、結果は何も出なかった。


幹也自身もこの調査で見つかるとは思っていなかったらしく、監視カメラ等の確認をしたが、それらしき形跡は無い。


ハッキング対策としてセキュリティの強化がひかれ、アンチウィルスソフトを各端末機器に導入する事とした。


今回の重力制御の件は、発見が早く、それ程、施設へのダメージは無く、セキュリティコードが書き替えられただけで、すぐに、プラグラム修正をして大事には至らなかった。


復旧対策には材質工学の俊英も加わっていて、毎日遅くまで掛かって、作業に追われていた。


ユイに、幹也へ手紙を渡したことを告げたが、幹也が僕に言ったことは、ユイには話せなかった。


ユイの事を思いながら自室で宇宙装機の操縦データをパソコンで検証していた。


無駄なバーニアを噴かす事が多く、操縦を色々と工夫することを考えていた。


俊英が遅いから、最近は涼子と、佐藤景と話したりする事が多かった。


佐藤景は初めの頃よりも、緊張が取れてきたのか笑顔が多くなった。


『人間は地球に巣食う寄生虫かもしれない・・』


環境を考える学部なので過激な事を話すのだと思うが、確かに景の話す様に、人間は地球に生かされているのに、いつの間にか我が者顔で汚していき、疲弊した地球を今更ながら再生しようと考えている。


人間は地球にとって、悪なのだろうか？


涼子はこれを話すと決まって言う。


『人間は進化の発展途上であるから間違いも犯してきたこれから、地球に対して恩返しをしても、決して遅くない』


激しく同意する。
人間はそこまで愚かでは無い、だから火星再開発計画があり――


僕らが居るのではないか？
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