空の果て星の息吹

緊急事態

二十世紀後半に大量に廃棄された人工衛星はスペースデブリとして周回軌道上を廻り続ける。


シャトルや現存する人工衛星をも傷つける破片をエデンでは回収して纏めたり、高出力レーザーで溶かす。

宇宙装機のメンバーである僕と北見は毎日、幹也や他のメンバーと回収に出かける。


ただ、今回のミッションは今までとは違っていた。


破壊失敗に終わった半壊した人工衛星へのレーダー攻撃なのだが、巨体で在る為に全てを溶かしきる事は不可能である、そこで、小さなデブリが出来、それを回収するのが今回のミッションであった。


長時間の稼働が予測される事から、宇宙装機もオプションが付けられ、増設用バッテリーと燃料タンク、エアカードリッジの増加により、機体は1.5倍近い重さになっていた。


宇宙装機が全機フル稼働する、今回の作戦名はマーメードクライシス(人魚の危機)と名付けられた。


宇宙装機は3機で1チームで合計4チームに分けられた。


僕らは幹也、北見でチームを作り、チーム名はアルコールの名前からリキュール隊になった。


他にはウォッカ、ジン、シャンパンがある。


稼働まで時間があり、機体の確認をしていた。


北見と互いの機体をチェックしあう様にしていた。
これは幹也からのアドバイスでチームの結束を高める効果があった。


自機は本人が確認をした後なので、チェックはそれの確認だけなので、時間はそんなにかからない。


北見のチェックが終わった今回は特別装備だから、武骨な機体がさらに重々しくデコレーションされた様になっていた。


作戦開始まで時間があったので、俊英と涼子と休憩室で話をしていた。


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