空の果て星の息吹
北見が話すと、俊英は高らかに笑い声をあげた。


『北見、初めから君は食えない奴だと思っていた、その考えに行きつくとは、君も僕と同じ様なタイプだな』


北見は表情を変えずに答える。


『僕は事をシミュレートするだけだ、お前はそれをやってしまった、つまり犯罪者だ、僕をお前と一緒にするな、テロリストの理想の世界等、自分の箱庭だけで満足してたらどうだ?』


犯罪者という言葉に俊英は表情を強ばらせた。


『俊英・・・もう終わりだ止めるんだ・・エデンは未来へ繋ぐ貴重な架け橋だ・・・だから、僕と一緒に学園へ戻るんだ、もう犯罪を重ねないでくれ、そして罪を償うべきだ』


『ソラ・・・まだ終わってないんだ・・・未来の世界は黒き第三の月が・・・握るんだ!』


その時、中央官制室から通信が入る。


『こちら中央官制室改め、黒き第三の月革命指令官制室、オロチ様、準備が出来ました。』


その声は佐藤景だった。


『つまり、追い詰められているのは君達だよ・・ソラ、遅かれ、早かれテラガイアへ連絡船が行く前に、事を起こすつもりだったから準備はしてあった、私に何か危害が及びそうなら、我々の同志が事を起こす手筈になっていたんだ。銃を捨てたまえ・・・元施設長殿でないと、官制室のオペレーターを含め、全員死ぬことになるぞ・・・』 


俊英は冷ややかな笑みを浮かべた。


マクガイア施設長は奥歯を噛み締めた顔で、銃を床に落とすと手を上に上げた。

そして、銃を拾うとマクガイア施設長に銃を突き付けながら、僕達を部屋に閉じ込めて、ロックをかけた。

僕らが3人は、材質研究室に閉じ込められた形になった。



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