空の果て星の息吹
『ユイ、大好きだよ・・これからも、夢をまた追い掛けて行けるね』


目を閉じると・・・ユイの声が遠くなっていく、小さくなっていく。


エデンの位置をモニターで確認をする、行き先をエデンにロックして、軌道を確定し、装機をブーストする心地よい加速を感じながら薄れそうな意識を保つ。


『ソラ?・・・ソラ??』

遠くで、ユイが呼びかける声が聞こえていた。   

『ユイ、早く会いたい』


心の底から感じる気持ち僕の体を司る全ての細胞が、ユイに逢いたいと感じてる様な気持ちだ。


しかし、気持ちとは逆に身体が徐々に重く感じ意識が遠退くのがわかった。


そして、何故だか凄く眠くなる・・・


星の世界が広がる海に泳いでいる気持ちになる。
小さいけれど、まるで白金の様に鮮やかに輝く光を見ていると、まるで、星の息吹が聞こえるようだった。

星の息使い・・・


『ソラ・・遠野ソラ』


高等部の時にふと聞いた覚えのある穏やかな声が聞こえた気がした。


それは、宇宙の呼び声だったのかもしれない、と何となく考えると、自分のセンチメンタルな気持ちに笑った。


エデンが大きくなっていくブーストをしながら、ユイの声がクリアに聞こえ始めた。


『ソラ、頑張って、こちらも装機トレース終了したから、だからしっかり』


酸素残量低下の警告表示が激しく点滅する。


身体が重くなる・・


『ユイ―――何だか眠いんだ・・・』




『ソラ?聞こえる?ソラ???』






『ソラ・・・・』






ユイの声が宇宙に虚しく響いた。






『ソラ―――――ッ!!』
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