空の果て星の息吹

失楽園

『政府の支持率が9%まで下がっており、失業率は過去最低を更新いたしました・・・』


テレビを見ると最近は物騒な話ばかりだ。
この間は、愛知の大学で銃乱射事件が起こり、死者を出していた。


この学園自体も、国立であるから、低迷する国財源の一部を使わせてもらっている立場なので肩身が狭い。

地球は確実に蝕まれている・・・人類という生物は地球という揺り篭に入りきれないほど大きく成長してしまったのだ。


幼年期の終わりには・・新しい世界へ旅立たなければいけない。


学部試験まであと2日と迫っていた、休憩を兼ねて部屋でインスタントコーヒーを飲んでテレビを何気なく見ていたら・・緊急放送で衝撃の映像が入ってきた。

モニターには改築された新宿にある、新都庁が映っており、巨大な爆音と伴に、ビルの中段階から朱色の炎が立ち上がる・・・


テロップが流れ、さらに国会議事堂や新成田空港でも同様な爆発が起こる・・


コーヒーのカップを思わず離しそうになる衝撃を受けた。


アナウンサーが声を荒げて話す・・・


『同時多発的にテロが起きたと推測されます、、繰り返します、、ただ今、東京都周辺に於いて・・・』


携帯電話が鳴る・・・タイミングが悪い電話だ・・・

嫌な予感がする・・・
伯父は、都の職員だ・・都庁勤務では無く区役所だが・・・


着信を見ると、自宅からだった・・・どす黒い感情がココロを支配する。


震えながら携帯を掴んだ、受話器の相手は伯母だった伯母は震える声で・・


『テレビは見ている?今、、、テロが起きて・・お父さんが・・・まさか・・』
息継ぎを忘れたように勢いで話ながら最後には叫び声に似た声になる。


『母さん・・どうしたの?父さんが?落ち着いて話して・・・』






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