空の果て星の息吹

七夕の想い

下敷き程の薄さの最新型のテレビモニターにうさぎのコスプレをした女性キャスターが、今日が七夕である事を説明していた。


アナウンサーは織姫と彦星の寓話を安っぽい恋愛ドラマの様に恋や愛という言葉を多用しながら語っていた。


僕は、遠野ソラ、新潟県にある佐渡島に出来た、火星再開発計画の為に建てられた学園都市に通っている。


実家は東京であったが、宇宙を身近に感じたいことから難関のこの学園を受けたのだ。


もちろん実家からは通学出来ないことから、学園より3キロ弱あるこの学生寮に住んでいた。


種子島のものとは別のプロジェクトで、国家間の急務として作られたのが『佐渡火星再開発計画総合学園都市』だった。


10年前の七夕に計画が施工されわずか二年で学園態勢が整備された。


計画が施工された日と同じ日に両親が飛行機事故で亡くなった。


僕は何かの運命を感じ、それから猛勉強をして、この学園に入ったのだ。


親父は宇宙が好きで、よく肩車をしながら宇宙の神秘を語っていたから、そんな学問を学ぶ事で家族と一緒にいれる気がした。



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