空の果て星の息吹

未来の扉

伯母と少しでも長く居たかった・・沢山話したかった

伯父の話を色々聞きたかった。


実家に来て1週間経つが今だに伯父の安否は不明だった、それ程、現場は凄まじく救助は難航していた。


テロ首謀グループは『ザ・ブラックサードムーン(第三の黒き月)』で反火星再開発を掲げるテロ組織で、地球をこのまま安らかに、人類と伴に死なせてあげよう、地球は人類の墓場となるべきという思想を掲げていた、この組織は世界に同志の数が増えている。


テロ首謀者は組織の中枢を担う、日本人幹部のオロチと名乗った。


マスコミに送られた映像で蛇を形どった仮面を被り日本語で全世界に向けて犯行声明が送られた。


この映像を見るとどす黒い感情が沸き上がる。
主義主張を語るのは自由だ・・・だか、何故それに死人が出るのだ?


糞みたいなそんな理想は死んだ人間は誰も喜ばない。沢山の犠牲者を出しておきながら、それを神の啓示の如く語る・・・


汚らしい悪党・・・


『ソラ・・怖い顔をしているよ・・・世の中には平然と悪意をばらまく人たちがいる、その悪意に染められたら負けなんだよ・・・父さんは多分それを望まない、あの人は人一倍優しい人だったから・・』


伯母の言葉に憎しみしかなかった自分が・・少し悲しくなった。


確かに伯父は、いがみ合いが嫌いだった・・・
どんな時も優しかった・・

此処で憎んだら確かにテロに踊らされることになる。

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