空の果て星の息吹
第四章

桜舞散る午後に

伯父の葬式も無事に終わり時間は気持ちを少しだけ、穏やかにさせてくれた。


いつの間にか季節は流れ冬から・・・・春になった。

桜の舞散る季節、僕らは無事に高等部を卒業して大学部に進学ができ、入学式から慌ただしい事務手続きが続いた。


高等部より、学ぶ幅が広がり、履修科目を同科のシンとユイと話ながら決めていった。


残念ながら、材質工学部には入れなかったが、宇宙装機学部も、興味がある履修科目もあった。


宇宙装機学部とは、劣悪な宇宙空間下で、様々な有害放射線や、耐熱環境、対冷環境下で作業を可能にした機械である。


操作は、特殊なスーツを着ることにより、電気信号を介し、筋肉の動きをトレースして動かす事が出来る。

本来は介護用に研究されていた筋肉伝達強化器具とNASAの宇宙強化服を融合させた、人型宇宙作業機械である。
従来の宇宙作業では機器操作が煩雑であったが、操作中枢を代えたことにより比較的、人間に近いフォルムの操作も直感的に動かせる様になった。


授業は、宇宙理論等から、プログラミング、エネルギー論、宇宙装機実技等々。

講義はどれも魅力的であり学ぶ度に宇宙に少しづつ近付く気がした。


エネルギー概論の講義をユイと受けていた。
ユイとは、選択履修科目が似ていて、同じ席に座ることが多かった。


授業と授業の間が空くと、図書室かカフェテラスに行き、色々話をするのが日課になっていた。


ユイとは趣味や趣向が似ているからだろうか、異性で気兼ね無く話せる貴重な存在だ。
涼子とはまた違う感じなのだ。


ユイは、春らしく淡いピンク色のワンピースを着ていて、大学部になり、少し明るくなった印象をうけた。

自分はというと相変わらず黒系の春物ジャケットとチノパンという地味な姿なのであり、シンからは服装のダメ出しをくらうくらい。

オープンテラスのカフェで薄紅色の桜が風に舞ってヒラヒラと漂う。


コーヒーを飲みながら、世間話をして、二人で桜を見ていた。


講義の話しをしながら、学園からエデンへの実務体験試験の話をした。
各学部の選抜試験最優秀者に国際ステーションエデンに夏期休み期間に実務体験としていけるのだ。



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