空の果て星の息吹

思わぬ刺客

2回戦に進んだのは、田島嘉久、戒音・グーデンベルグと北見伸一(きたみしんいち)のチームだった。


そのままいくと、北見チームと戦うのだが、明日また再び対戦相手を再抽選するらしい。


北見チームの試合は一回戦は互いにギリギリの点差でシーソーゲームを勝ち残った。つまり、他の2チームに比べると、圧倒的な何かは見当たらなかった。


北見自身の性格も掴めないので、逆に戦略は立てにくかった。


僕達は坂田戦の反省を話ながら、戦略を練り直した。

翌日――


会場での再度抽選があり、ユイが引いたくじの番号は2番で、これは戒音・グーデンベルグと対戦を意味した。


よって、残りのカードは田島チームは北見チームになる。


田島は、戒音をライバル視していたので、この対戦カードを見て余裕の表情だった。


くじを引いたユイは少し落胆していたが、シンの励ましてどうにか気を取り直した。


戒音のチームは、戒音自身の機体の素早さを全面に出して、遊撃に翻弄された試合運びだった。


三人で作戦を練る。
戒音は遊撃に回るのは明らかだが、ノーマークにする訳にもいかない。
リスクが増えるからだ。


何度も考えるが、やはり、体力のあるシンに戒音封じをしてもらい、僕が解除を狙う作戦にした。


試合が始まる。
戒音チームは素早く行動をする、負けないようにこちらもブーストをかける。


シンは戒音に合わせてコースを変えていく。
あとは、美咲と僕のどちらがキーを見つけるのが早いかだった。


美咲の牽制をかわしながら探索する、視界が悪いが、どうにか解除キーを見つける。


美咲を振り切り、ディフェンダーに向かう、戒音がこちらに気付きシンを振り切り猛スピードで向ってくる

『ソラ、、そのまま迎え!戒音が来る前に!!』
シンの声が響き渡る。


ブーストをしながら、ディフェンダーに向き合うが、後ろから戒音が迫るのが解る。


咄嗟にスライディングをする、相手ディフェンダーの不意を突き、抜けることに成功した。


後は、端末にキーを差し見事解除に成功した。


『やったぁ―――』 


ユイとシンの声が響く。
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