空の果て星の息吹
『父さんがドイツのベルフォントシュナイゲル社という航空製造会社の技術責任者で、日本の航空会社と共同でジェット機が作られて、その時に日本で知り合った母と結ばれて、私が生まれたの。
研究期間終了して、ドイツに戻り、それから、私が中学の時に、ドイツでも宇宙装機の製作が決まり、日独の共同開発された装機の技術支援の目的で再度日本に来たんだ、だから、私はこれで、三度目の訪日になるの、だからドイツ語はもちろん、日本語も話せるよ』

『そうなんだ・・・だから上手いんだね』


気兼ね無く話せる雰囲気はユイとどことなく、核となる部分は似てると思った。

戒音と話していて、何でこの学園に決めたかと聞かれ両親の事故と父と宇宙の関係、伯父の事を話した。


逆に戒音に聞くと、彼女は笑いながら答えた。


『私は、単純で子供の時から、父の工場に見学に行って、中学の時に宇宙装機を見てね、興味があり学園水準の高いこの学園に決めたんだ・・まぁそれにもいくつかのエピソードはあるんだけど・・』


『そっかぁ・・・戒音は初めから宇宙装機を目指していたんだね・・僕とは違うな・・・』


『私も、初めはそれ程、興味があった訳では無かったけれど、沢山の転機があり学びたくなったんだ』


『だからソラ、行き着く過程なんかはどうでもよい。今が好きならいいんじゃないかな?ソラは、今学んでる自分は嫌いかな?』


『初めは、材質工学を学びたかったが・・・今は逆にこの学部が好きだな・・・』


『なら、いいんじゃないかな?それだって立派な運命に違いないよ』


二人で笑いながら青空の真ん中で白い雲を付けながら大空の海を横切る飛行機が見えた――



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