空の果て星の息吹

悠久祭そして・・・

秋が色濃くなり、賑やかな海は穏やかになり、山の木々は色付いて来た。


秋が深まると恒例の悠久祭が始まった。


大学部は悠久祭といっても各サークルが催しをするので、高等部の様なクラス単位の義務はないのだ。


シンの軽音楽部の準備手伝いをしていた。
講堂をライブステージにする準備でスピーカーやら音楽機器やらを運んだりした

シンは多趣味で、あの性格の良さから、どこにいても輝いている。
そんなシンと友達なのは、やっぱり嬉しい。


シンのバンド名はスターゲイト、高等部に作った喫茶室の名前と同じだった。


まだ演奏まで時間があるから、校内をゆっくりと回ることにした。


涼子は大学部の実行委員の様で忙しいみたいだったので、ユイと戒音とで学祭を回ることにした。


ユイと戒音は仲が良く、二人で遊んだりもしているみたいだった。


高等部の制服を懐かしく思い、自販機でココアを買い甘ったるさに、身悶えながら、購買前のベンチで待っていた。


ココアを飲み終わるくらいの時間に、二人は来た。


三人で学園内を、ゆっくり回りながら、高等部時代を思い出しながら、高等部の名物担任の[たこつぼ]の話をしてもりあがった。


頭にくると、たこの様に直ぐに赤くなる様からあだ名がついたのだ。


『あいつ、あれから、なだめるのが大変で・・・』


模擬店のやきそばを食べながら話していると、遠くから呼ぶ声がした。

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