空の果て星の息吹

ユイ

伯母は、僕の身体が順調に回復しており、このまま検査結果を見て問題なければ、東京に帰る事になった。

事件の後に、すぐ飛んで来てくれた伯母に感謝する。伯母の顔を見れて温もりを感じられて嬉しいのだ。


そして、ユイが生きていた事―――




反面、記憶を失ってしまいいま、心療内科病棟に隔離されている事。


記憶は、戻るのだろうか・・・・・




以前、送られてきたメールを思い出す。



『遠野くんと、夢を追い掛けたい・・・』


『一緒に宇宙にいけたらいい・・』  




何気ない言葉が思い出されて、同時に胸が押しつぶされそうになる。


取り敢えず、ユイに会わないことには・・・


僕は、病棟の場所と、部屋の場所を確認して、夜、見つかったら問題になるかもしれないが、病棟に向かう事にした。


病棟の消灯時間は9時だった。


消灯少し前になると、伯母は付き添い用のソファーに横になる。


伯母が横になり、まもなく消灯する、部屋が一斉に暗くなる。


看護士の巡回時間は一時間間隔なので、初めの巡回をこなせば、抜け出せる。


ナースステーションの位置を夕方に確認しており、最短ルートも頭にはいる。


ベッドに横になりながら、初めの巡回を待った。


消灯から40分くらいで来たので、そこから逆算して、次の巡回を割り出す。


消灯した病棟はナースステーションとトイレ、非常誘導灯ぐらいしか明かりが無いから闇を味方に出来るだろう。


時計を見る・・・


一時間の時間に、寝てるかもしれないが・・・見るだけでもよい・・・


ユイに会いに行く。




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