ユピテルの神話
ワンッ!
『そうだッ!…俺ってばユラに感謝だなッ?ユラが寂しがりじゃなかったら、俺たち犬竜って生まれなかったかもじゃんッ。それって、コワッ!』
「…本当だ…。ユラが寂しがり屋さんで良かったね、あたしたち。コンが居ないなんて、嫌だもん。」
世界は…、
やはり在るべき姿。
僕たちは、
運命に導かれたのでしょう。
ワン!
『そうだぞッ!ハルカに会えないのは駄目!それにエマが居なかったら、ハルカの羽根だって治らなかったんだもんッ!』
「…そうだね。二人はとっても哀しい想いをしてるのに…。あたし、エマの「幸せの涙」を貰っちゃった…」
女の子は悲しそうに、申し訳なさそうに瞳を落としました。
――…違う、哀しまないで?エマは貴女の役に立てたと喜んでいたのだから…――
「…うん。有り難う。二人のお陰で幸せなんだよ!二人に守られてるから、あたしたち幸せなんだよ!ねっ、コン!」
ワン!
『――おぅッ!』
――…!!…有り難う…――
僕たち、これで良かったのかもしれませんね?
お友達が…、
幸せそうに笑っていますよ。
…アァ、エマ…
僕タチ、嬉シイデスネ?
世界ガ、
優シサ二満チテイル――…