ユピテルの神話


「…あたしたちのご先祖様は、迷いの森の外側の人と同じ「人間」だったんだもんね?ユラが力を与えた作物を食べて、「妖精」になったんだもんね…?」

ワン!
『それにー、あの堅物キースをも手玉に取る俺様!超~プリチーッ!なぁ~ッ、ハルカ!』


「…いや、それとも。…エマとか妖精とかじゃなくて、もっと根本かなぁ?「人」が生まれた意味…って事…?」

『………むぅッ…』




月夜の晩に 集める光
果てしない楽園へ 私を導くもの

生まれた意味を知る


時空を越えて
失われた星の記憶を知る



「…時空を越えて…って、エマはユラの正体の事を知っていたのかな?」

『……知らな~いッ』


「…んー。知らなくても、他の世界から来ていて、年も取らなかったから…。だから「時空を越えて」なの…?」

『……俺、知らな~いッ』


「…失われた星の記憶…。どうして、エマは「星」って歌ったんだろうね?コン!」

『……知らな~いッ。そんなのエマの勝手でしょッ!』


「だって、ユラは「月」だもん。「失われた月の記憶を知る」の方がエマっぽいでしょ?まぁ…月も星も同じだけど…なんか引っ掛かるなぁ…」

『……俺、知らないもーん。』


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