ユピテルの神話
ある日の事、
皆も寝静まった穏やかな夜。
タスケテ…
…タスケテ、ユラ…
そんな消え入りそうな小さな微かな声で、僕は人知れず目を覚ましました。
「………。」
嫌な予感がしました。
悲しい寂しい、
喪失感がありました。
僕はすぐにロマの家を訪れ、眠たげな彼を起こしました。
「…ロマ、花たちの声が助けを求めています。…嫌な予感が…」
「…何?…花畑が?」
僕の「子供たち」が、
僕に助けを求めていたのです。
その命を脅かす者といえば、人間しかありません。
「一緒に来て貰えますか…?」
「…あぁ、すぐに行こう。」
僕の様子でロマもそれを悟ったようでした。
その足ですぐに村を出て、七色の花畑へと向かいました。
しかし…
予想通り、
もう遅かったのです。