ユピテルの神話
「僕の力を糧に、生命力を…?」
ワンッ
『そう!ユラの持っている力。俺、ご飯いらない。ユラが元気なら俺も元気。ユラ、元気ないと駄目。』
「…そうですか。じゃあ、『ロマ』の元気の為に、僕も元気になりましょうね。」
僕の心から生まれた「ロマ」。
僕を神と慕う人々には決して見せられない、偽り無い僕の心を知っている友達。
それでも尚、幻滅せず傍に居てくれる友達。
大切な大切な、
心休まる存在となってくれました。
まるで、あの「ロマ」が戻ってきてくれたかの様で心強くなりました。
「友をなくした哀しさ」は彼という存在となり無くなりましたが、別の「哀しさ」は次々と生まれてきます。
僕が生きている限り、それは限りなく続く定めでしょう。
しかし…
僕が哀しく元気がなくなる度に、犬竜ロマも生気をなくし可哀想になります。
森の木々が降らす緑色の光もまた同様に、僕の心に影響を受けます。
それは、人々の暮らしに不便を与えてしまう事でした。
その事に心を痛め、自己嫌悪からの哀しみは増え…
繰り返す螺旋。
終わりは見えません。
「哀しさ」という感情、
その全てを…
4つ目の「月」として、
夜空に昇らせたのです。