生意気な義弟
ついた場所は体育館裏。なんでこんな場所に用事があるわけ?
来たくもなかった場所に連れて来られて若干、イライラしてた私。
授業始まるから、早く終わらせてくれないかな…?
そんなことを考えていると、いきなり高原君が頭を下げてきた。
「ごめん、授業始まるのに…こんな場所に来てもらっちゃって…」
「えっ?」
やばい、声に出てた?…いや、絶対出してないはず。
「でも大事なことだから、少しだけ時間が欲しい。いい?」
ここでもし私が、駄目と言って帰ってしまったらこの人はどうするんだろう…?
追い掛けて来るのかな?……それとも…
「うん、わかった」
「ありがとう!」
この人きっと、すごい…いい人なんだ。
きっと、帰ってしまったらこの人は私を恨まないと思う。
追い掛けてもこない、きっと“ごめんな”って後ろから謝ると思う。
今私が、わかったって言っただけでこの笑顔なんだよ?
いい人だ、大丈夫。