生意気な義弟
「俺は養子だよ、茜。茜が5歳の時にこの家に来ただ。」
「……嘘…」
5歳…?5歳なら記憶があってもおかしくないのに。
私の記憶には、いつも隣に空がいる。
いない時の記憶なんかないもの。
信じられない、信じたくないよ
「空の勘違いってことはないの?きっと間違いだよ…」
「勘違いなわけねーよ、聞いたんだから。父さんに。」
父さんに?
「中2の時、茜が友達の家に行っていたときに聞いた。疑問だったんだ。茜と俺似てるとこねーから。だから冗談半分で言った。」
「何を?」
「実は俺たち、姉弟じゃねーんだろ?って」
直球…すぎるよ、空。
「そしたら、教えてくれたよ。父さんの親友の子供が俺。俺の本当の親は交通事故で死んで、残った俺を引き受けたって。」
そうだったんだ、だから私たちこんな似てないんだ。
当たり前だ、だって姉弟じゃないんだもん。
本当は、血の繋がりないんだもん。