生意気な義弟
あれからどうやって部屋に戻ったか覚えていない
だけど泣きすぎて、いつの間にか寝ていたみたいだ
時間を見ると
「……遅刻だ…」
空、起こしてくれなかった。
下に降りると、机の上にホットケーキが置いてあった。
その横に2枚のメモ
1枚目はお父さん
[今日は出張になり明日の夜、帰ります]
出張なんだ、お父さん。
2枚目は空
[先に行く。ホットケーキ食え]
短いメモ、だけどいつもより冷たい感じがする
私が傷つけた、大事な空を。
空が作ってくれたホットケーキを温めて食べた。
「美味しい…」
いつもと同じ味、それだけなのに嬉しくて涙が出た。