生意気な義弟




学校に行くと円香が近づいて来た



「茜、遅刻ー。」



「うん、遅刻しちゃった」




もう空は起こしてくれないかもしれない




明日からちゃんと起きなくちゃ




「…なんかあったの?」



「え?」



「目、赤いし。今日空くんと来てないから…喧嘩でもしたの?」




喧嘩…




「喧嘩なら、よかったのにね。」




喧嘩なら、仲直りできるから。




だけどもう、仲直りできない。




きっと、もう空は私を見てくれない。




「茜…?」



「……駄目だね、私」




自分から手放した、大切だと、わかっていたはずなのに。




「茜、保健室行こう?氷で冷やしたほうがいいよ。私も行くから」



「ありがとう、円香」




円香につれられて保健室まで歩く




すると、そこに…



「空くん、ありがとね。」



「いや、気にすんな」




空、だ。




女の子といる、ただそれだけなのに泣きそうなくらい苦しい。





「優しいね、空くん。」



知ってる、空が優しいことは私がよく知ってるよ。




女の子は笑いながら空の腕に触る



触らないで、そう心が叫ぶ。




そんなこと思う資格、私にはないのに。





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