生意気な義弟
「茜」
後ろから声がする、高原君だ。
「来たんだな、遅刻?」
「あ、うん。遅刻」
「大丈夫?目が赤いけど。」
そう言いながら高原君は、私の目元を触る。
高原君の手、空と全然違う。
「大丈夫だよ。ありがとう」
「そう?無理すんなよ?」
高原君が私から離れた。
「あっ、空くんのお姉さんじゃない?」
びくっ、とした。
空の隣にいた女の子が私の存在に気が付いたみたいだ
「あぁ、姉さんだな。」
[姉さん]
久しぶりに聞いた言葉、だけど今は聞きたくなかった
「高原先輩と付き合ってるの?」
「そう見えるんなら、そうなんじゃねーの?姉さんの恋愛なんか興味ねーよ」
「そうだよね。」
「ほら、行くぞ。」
空が女の子の手を掴んで歩く。
女の子は驚きながらも嬉しそうにしていた
「茜、なんか空くん変じゃなかった…?……って茜!?」
涙が止まらない、苦しい、痛い。
「茜」
円香が優しく抱き締めてくれた。
気付いたの、空の言ってた意味が
嫌だね、苦しいね。
空の隣に女の子がいるだけでこんなに涙がでるよ。
だけど今、わかっても遅いよね