俺様VAMP!


広い、優しそうな…背中。



……この人。
似てるんだ………。
あの人に……。



そう思った途端。
クルリと、今度は体ごと振り返った。


「じゃ、上に行こうか」

「あ、は、はいっ!」

一瞬だけ脳裏に浮かんだ人の……残像を。

慌てて追い払って、私は彼の後に続いた。




2階には6つの扉が、廊下を挟んで左右に並んでいた。
右側に2枚。
左側に4枚。

「右奥から蓮、オレ。左奥から遊佐、メイ。で、君の同期、君、の順番ね」

ユサ…さんとメイ……さん…。
きっと、後ほど紹介してくれるという、2年生のことだろう。

はい、と鍵をひとつ手渡される。
……灰色の石のキーホルダーがついた、鍵。
手の中で、冷たく光っていた。
それを見つめながら、疑問を口にする。

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