俺様VAMP!
「……あの、同室って?」
ドア、別なのに?
「ああ、入れば分かるよ」
じゃ、荷物片付けたら、談話室においで、とにこやかに笑って、斎さんが自室へと足を向けた。
慌てて、ありがとうございました、とその背中に声をかけると、首だけ振り返って、ゆるゆると手を振ってくれた。
重厚そうな、樫の扉。
ノブに鍵を差し込む。
カチリ、と音がして……。
私はそれを押し開いた。
「…うわ、…広い……」
靴が僅かに沈む、絨毯。
レースのカーテンに覆われた、広い出窓。
窓際に置かれた、広い茶色の机。
インテリアとあわせて、これも重厚なデザイン。
ちょっと大きめのベッド。
その上には……天窓まで、ある…。
それから、2人がけくらいの、ソファにテーブル。
なんて、…贅沢な…。
なんだかひどく場違いな気がして、気持ちが萎えた。
これから、こんなところで、生活していけるのかな…。
そりゃ、……素敵だとは思うけれどさ。