俺様VAMP!


「なかなか、…失礼だね。………あんた」

あまりに驚いて、差し出された握手を無視した格好になった。
彼はさらに不機嫌そうに、その手を下ろす。

「あ!! ご、ごめんなさい! ちょっと…びっくり、して………。あの、市原詩乃です。よ、よろしくお願い……します?」

盛大に戸惑いながらも、今度は私から手を差し出した。

「観月 葵。……よろしく」

そうして、彼は相変わらずぼんやりした様子で、私の手をするりと軽く撫でるように握手をして。

パタリ、と扉を閉じた。



ああ………!!
第一印象、最悪だ………!!


私はその場に蹲って、必死で後悔した。



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