俺様VAMP!

相変わらず綺麗な顔に、不機嫌そうな表情を浮かべて。
のんびりと話しかけてくる。
こっちの部屋に入ってくる。

そうして、くるりと部屋の中を一巡見渡した後、私に向かって小首を傾げた。

「荷物は………?」

「え?」

「いつまでたっても、降りてこないから………、手伝えって…斎先輩に言われた………」

あ!!!
そうだ!
下に来いって、言われてた!!




この、何か一個にしか集中できないくせ、直さなきゃ…!!
真っ赤になって、私は彼に向かう。

「ご、ごめんなさい!! 片付けるほどの荷物なんてないの!! すぐに、降ります!」

「…何で」

「え?」

「……何で、荷物、ないの……?」

これから3年もここで暮らすんでしょ、と。
相変わらずのんびりと。

「………あ。その、全部、…必要最低限、残して。…売れるものは、売っちゃったんです」

「……ふぅん。理由ありって感じ…?」

「いや、ただ単に、お金がなかっただけです」

笑って誤魔化すと、それ以上は興味がないのか、遠慮してくれたのか。
不機嫌そうなままで、観月くんが、じゃあ下へ、と私を促した。

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