俺様VAMP!

扉に向かう彼の背中に声をかける。
こうゆうのは、ちゃんと謝っておいたほうが、いい!!
この先、ずっと一緒なんだし!!

「……あの!」

彼がのそっと、振り返る。

「何………?」

「あの、……さっき、ごめんなさい。…同室だって聞いていて、てっきり女の子だと思っていて。…男の子だったから、びっくりして…」

ごめんなさい、と謝ると。
彼はぼんやりしていた目をちょっとだけ、見開いた。
透明な鳶色の瞳が、やっぱり緑がかって見えた。

「…オレ、男に見える?」

今度は私がきょとんと目を見開く。

「……はぁ……? ……どっから、どうみても………」

「ふぅん……」

え。
実は本当は…女の子とか?!

でも、骨格とか、さっきちょっとだけ触った手とか、筋張っていたし…!?

再度驚いて、慌て出すと。

「……違う、馬鹿……。よく、特待生なんてなれたね……」


と。

…ようやく、笑った。
のんびりと。


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