俺様VAMP!
「詩乃ちゃん。こっちが、遊佐ね。遊佐 耕一」
「よろしく」
と。
ソファに腰を下ろしている、男の人が笑顔で答える。
清潔感のある、短めの黒髪。
…スポーツをやっているのか、がっしりした体躯。
Tシャツにジーンズというラフなスタイル。
…爽やかな感じで、すごく好印象な…笑顔。
そうして「入り口に突っ立ってないで、こっちへおいで」と穏やかに招いてくれる、斎さんの横。
一際、横柄な感じで、長い足を組んで座っている、……男。
澤木 蓮も、ちゃんと居た。
こっちをじっと注視している。
余裕たっぷりな感じで。
チラリと、視界に一瞬だけ入ってきたけど。
何も言わずに、私は笑顔で腰を折る。
全員に向かって。
「市原 詩乃です。お世話になります。宜しくお願いします」
それに倣うように、観月くんも、頭だけを下げた。