新婚生活【被害妄想彼氏 番外編】
しばらくして、私達は再び病院へと運ばれた。
「二回も頭ぶつけるなんて…」
お母さんは呆れていた。
「そそっかしいんだから。
誰に似たのかしら。」
「お母さんですよ。」
慎二くんがお母さんに笑顔でそう言うと、
「あらやだ慎二くんたら!
意地悪ね!」
慎二くんとお母さんは大声で笑っていた。
「…………ん…」
修司くんは体を起こすと、自分が病院にいる事を察した。
私も同じく体を起こした。
「あ、そっか。
俺、真知子ちゃんと歩道橋の所で…」
「うん。そうだったよね?」
私と修司くんは、『被害妄想』が入れ代わっていた時の事は覚えていなかった。
「もしかして、狭子の呪いで??」
修司くんはハッと思い出した様に言った。
「きゃあぁぁあ!!
狭子こわいぃぃ!!!」
「きゃあって……アンタは女か。」
私達のやりとりを見た由梨は、
「良かった。もとの二人に戻ったね」
そう言って微笑んだ。
「狭子の呪いぃぃい!!」
修司くんの叫び声が、病院の隅々まで響いていた…。
【END】