メール女【被害妄想彼氏 番外編】

「あんたさぁ!
何なのその目つき。悪すぎじゃん?」



S女に言われたくないわ。



「アンタ、名前は?」



「ハ?」



「ハ?じゃないよ!
アタシが名前聞いてんだから答えなさいよ!」




何やコイツ。



「何でお前に教えやなアカンねん。殺すぞ。」



俺はS女を睨んだ。



「アンタ…絶対泣かせてやるから。」



こっちの台詞じゃ!



「あ、えっと彼は森川慎一29歳。
その隣の彼は高田明宏28歳。
俺の名前は平山裕貴28歳」



裕貴が全員分の自己紹介をしてくれた。



「うし、じゃあ席変えしよー」



席変えの結果、俺の隣はネクラとS女になった。



「おい、慎之介!」



「慎一や言うてんねん!
お前ホンマ殺すぞ!!」


俺がそう言うとS女が顔を近づけてきた。



「アタシに刃向かう男って初めてなんだよね……」



知らんがな。



「決めた!絶対アンタを泣かしてやるから」



さっき聞いたわ!



「返り討ちにしたるわ。」



俺とS女の間で火花が散った。
< 5 / 29 >

この作品をシェア

pagetop