空と太陽【被害妄想彼氏 番外編】
二人は洗面所に向かい、顔を洗った。
タオルで顔をふいていると、
太陽が空の異変に気付いた。
空は鏡を見ながら止まっている。
「ねぇ、太陽…」
空は鏡から目を反らさず、太陽に話しかけた。
「私って、今日も可愛すぎない?」
「……………ハ?」
太陽は目も口もだらしなく開けたまま、空を見た。
空は一瞬太陽を見て、また鏡に顔を戻した。
「空、あんたそうゆう所誰に似たの…」
太陽は小さくそう呟いた。
空は、修司の被害妄想を受け継いでしまっていたが、
自意識過剰な所もある。
太陽はそんな空に振り回され、ツッコミというものを三歳の時に覚えてしまった。
「ほら、太陽!
パパ起こしに行くよ!」
空はスキップをしながら、
一階の和室へと向かった。
太陽は寝癖を直し、空に付いて行った。
「パーパ!
起っきして!!」
修司の寝ている所に空がダイブした。
「ウッ」
修司は少しうめき声を上げ、
しばらくしてから体を起こした。